Friday, August 03, 2007

初ワーグナーで腰痛

現在の気分:★★★★★
現在の音楽:Snow Patrol<Eyes Open>Make This Go On Forever
最近読んでいる本:「ローマ人の物語/勝者の混迷・上」塩野七生


 先週末、アレックスの上司からオペラに招待された。7月末から8月初旬にかけて、オーストリア各地で音楽祭が催される。有名なところではサルツブルグ音楽祭、ブレゲンツ音楽祭等々。今回のチロラー・フェストシュピール/アールの独特なところは、ドイツのバイロイト音楽祭とならんで、ワーグナー作品のみを上演するところにある。

 有名な音楽祭はどこでも、チケットを手に入れるのは非常に難しい。チケットが高価なことと、音楽祭や劇場の常客、ワーグナーファングループやいろいろな会社、団体によってほとんど買い占められてしまうからだ。
 ただでオペラがみられるだけでも、うきうきしちゃうのに、なんとワーグナーがみられるとは。。。今まで見たのは初心者でもなじみ易いプッチーニやヴェルディなどイタリアオペラ。今回見たのは「パルジファル」という全編約5時間のオペラ。ワーグナーは「難解」とか「長い」とかいう印象だったけれど、ドイツオペラの巨匠を一回くらいは見ておきたい。

 こんなオペラ初心者にいきなりワーグナーを見せるというのはいかにも勿体ないなあと、自分で思ってたのだけど、心配は的中した。たしかに素晴らしいオーケストラと切れ目の無い展開、迫力のある合唱場面に面白い演出と圧倒はされた。でも。しかし。5時間座りっぱなしで、二回中休みがあるにせよ、あれはかなりキツかった。しかもドイツ語で歌ってんだけど、ドイツ人だって何言ってんのか分かんないんだから、集中して見ているつもりでも、いろいろ余所事をぼけっと考えたりしていた。最初は有名な音楽祭だし、気合い入れて着物を着ていこうと思ってたけれど、余りの暑さに断念。着物で行かなくてよかった。5時間+着物だったら間違いなく死んでいた。
 
 簡潔に印象をいうなら、フルコースの重たいドイツ料理を食べた感じ。もしくは巨匠映画監督の超大作映画を見た感じ。ヴェルディやプッチーニの歌劇の後は、華やいで、ウキウキした感じで、じゃあこれからどこかのみに行こうか〜♨という気分だったのに対して、ヴァーグナーの観賞後は憔悴して、ようやく解放されたー、早く寝ようという感じでした。なんとなく分かってもらえるでしょうか。実際、夕方5時に開演して、終わったのが10時半だった。

 ちなみにこのワーグナーの人物評:Wikipedia「リヒャルト・ワーグナー」より引用
人格にはかなり問題があり、自己中心的でわがまま、平気で嘘もついたという。ニーチェはヴァーグナーと決裂した後に、彼について記した自著の中で「彼は人間ではない、病だ」と表現している。トーマス・マンも彼の性格は「いかがわしい」と嫌悪した。若いときは偽名を使って自分の作品を絶賛する手紙を新聞社に送ったりし、パーティーで出会った貴族や起業家に「貴方に私の楽劇に出資する名誉を与えよう」と手紙を送ったりした(融資ではなく出資である)。これに対し拒否する旨の返事が届くと「信じられない。作曲家に出資する以上のお金の使い方など何があるというのか」と攻撃的な返事を返したという。また夜中に作曲しているときには周囲の迷惑も考えずメロディーを歌ったりする反面、自らが寝るときは昼寝でも周りがうるさくすることを許さなかったという。さらに常軌を逸する浪費癖の持ち主で、支援者から多額の借金をしながら、自らの専用列車をしたてたり、当時の高所得者の年収5年分に当たる額を一ヶ月で使い果たしたこともあった。また、過剰なほどの自信家で、自分は音楽史上まれに見る天才で、自分より優れた作曲家はベートーヴェンだけだと公言して憚らなかった。
 

。。。かなり楽しいおじさんだったようである。彼自身が強烈だった為に、これだけ強烈なオペラの数々を生み出したのかもしれないけど、絶対隣人に持ちたくないタイプだなあ。

1 comment:

Kaolu said...

お久しぶりです!
ワーグナーってこんな人だったんだ~。素直に驚き。
ドイツに住んでいるのだからいつかはオペラへと思っているうちに日々がたち・・・。
いつかは、私もワーグナー、挑戦してみたいです。