Tuesday, June 27, 2006

Tanz Sommer

現在の気分:★★★★★
現在の音楽:Foo Fighters<In Your Honor>The Best of You
最近読んでいる本:Gefährliche Geliebte  著:村上春樹
今日のニュース(毎日新聞):夫・妻・恋人の携帯チェックは許されるか

 
 なんと今週一週間、朝8時ー夜8時勤務することになった。昼休みの一時間を除いて、11時間立ちっぱなしだ。死んでしまうよ。理由は、休暇を取った人が凄く多いのに加え、病欠、忌引きで人がほとんど居ない状態に。。。なってこった。。。

 8時にお客さん達を放り出すように閉店し、私は一目散に家に帰った。すると、旦那さんの友達のルーカスが「Tanz Sommer」のチケットが余ってるのだけど、3人で一緒に行かない?と誘ってくれているらしかった。タンツ・ゾマー(英語でダンス・サマー)はインスブルクで毎年開かれるダンスの祭典。一ヶ月間に渡って、あらゆる種類のダンス公演があり、私たちが招かれたのは、若いダンサー達の公演だった。チケットは普通に買うと30ユーロ、5千円くらいするし、滅多にないチャンスだった。

 迷うこと30秒、翌日が休みだったこともあり、すぐにシャワーを浴びて着替えて、チャリに乗って出かけた。

 国際会議などが開かれるコングレスホールまで、10分で到着。会場は既にほぼ満員で、老若男女、着飾った人たちも居れば、サッカー観戦からそのまま来たような人たちまで様々だった。その夜私たちが観たのは、アメリカからやってきた12歳から18歳までのダンサー達で、学校に通いつつ、毎日4〜5時間の練習をこなし、自分たちで何ステージ分もの衣装を調達するためバイトもしつつという勤労学生だった。

 舞台はすばらしいものもあれば、あいたたなものもあった。凄い完成度と芸術性の高いものから、ショーン・ポールの音楽を使ったかなり痛いのもあった。ヒップホップなんてその辺の駅前で踊っとけ!と私は思っちゃうんですが、異文化理解、異文化理解。
そういえば、以前、壁へのスプレー落書きは芸術か否か、とか、フランス人の芸術家が巨大ペニスに注射針が刺さった作品を日本に送って展示してたら、日本の警察がやってきて、おむつを被せてしまったというニュースがあったりしたことを走馬灯のように思いだして笑ってしまった。芸術の範囲って線引きが難しいですねえ。

そんなことはともかく、でも、ヒップホップのダンスとショーン・ポールの歌に会場は大ウケ、大いに湧いてました。

 とにかく2時間の公演はあっという間に終わり、アメリカの若者達のダンスへの情熱に感動したのでありました。あんなにそろって踊れる為にどれほどの時間と労力を費やしたのか、ほんとに凄かった。
 
 ちなみに、ダンサー達(全員で50人くらい)のうち、男女比15対1くらいでやっぱり男子は少なかったですねー。でも、踊ってる男の子達はひじょーーにかっこ良くみえました。そしてほぼ99%白人だった。アメリカの勤労学生とはいえ、ダンスのレッスンに行かせたり、練習や舞台の送迎をしたり、海外公演まで自費でしかも親までついてくるのは、やっぱり中流以上の家庭の子弟なんだろうなあと思った。



 

Saturday, June 24, 2006

こんな罵倒に耐えられるか

現在の気分:★★★★★
現在の音楽:New Order<waiting・・・>Krafty
最近読んでいる本:「私のイギリス あなたのニッポン」高尾慶子
今日のニュース(Yahoo!):「悪魔の詩」殺害、時効迫る


最近読んだ本(↑)の中で、印象的な一節があった。
在英暦ウン十年の筆者が外国人差別について書いた文。こんな感じの文章
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外国人なのだから差別や嫌がらせやらがあって当たり前。自由意志でこの国に来た以上は、それは覚悟しなければならないし、それが厭なら日本に帰るしかない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一年前に取得した在留ビザ更新のため、朝一番に市役所に行ったところ、すでに5組くらいの外国人が並んで待っていた。並ぶこと30分弱。我々の番が回ってきたので、私とアレックスは事務所に入り、テーブルに座った。
2人の係官のうち一人は顔色の悪い不機嫌そうなオバちゃんで、もう一人は30代前半のお兄さんだった。

 我々はおばちゃん係官の席につき、どんな書類が必要か一通り丁寧に説明してもらった。私は自分のことなのに、ぼんやり二人の係官の雑然とならんだ私物や写真を眺めて、その人達の性格やら仕事ぶりを想像していた。となりのお兄さん係官は、元々温厚で丁寧なタイプそうだったけど、要領を得ない言い訳をしつづけているトルコ人のおばちゃんを持て余して、キレかけていた。
 その日の我々の面談は10分程、必要書類の説明をうけてすんなり終わった。オバちゃん係官は「オーストリア人の旦那さんと日本人の奥さん」という<<なんの問題も無さそうな夫婦>>をスムーズに機嫌良くさばいた。

 3日後、全ての書類を揃えて、再び市役所にやってきた。私たちの次にトルコ人らしい家族が待っている。お父さんとお母さん、中高生くらいの3人の娘達。母親も娘達もムスリムのするスカーフをきちんと巻いていて、暑いのに肌をほとんど見せない服装をしている。
 事務室に入って、今度はお兄さん係官の席についた。お兄さんが提出書類を確認している間に、さっきのトルコ人のお父さんが、オバちゃん係官の席に着いた。
 私とアレックスが、お兄さん係官の話をウンウンと聞いている間、隣の席からオバちゃん係官の怒鳴り声が聞こえてきた。例のトルコ人のお父さんは、ドイツ語がすごく上手という訳ではないようで、聞き返したり要領を得ないやりとりが係官の気に障ったらしい。

おばはん係官:「・・・・家族を中に呼びなさいって言ってるのよ!!あなたの家族!」「それから、あなたの家族で、あなたよりマシなドイツ語話す人いるでしょ?!その子呼んで!!」

「それにね、あなた(お父さん)オーストリアのパスポートもってるんでしょ?ってことは、あなた仮にもオーストリア人なのに、そんな程度のドイツ語しか喋れないなんて、恥ずかしいですよっ。これからはそうはいかないからね。ドイツ語検定が義務づけになるんですから」云々。。。。
 


 あまりの驚愕に私もアレックスも言葉を失い、顔を見合わせた。心無しか、お兄さん係官も私たちが隣席の様子に驚愕しているのに気づいて、動揺している。それは、彼が私たちに接する態度を益々丁重にしたことからも明らかだった。

 オーストリアで生活して、ドイツ語を習得することに苦心している私には、まるで自分が罵倒されているような気がして、今でも彼女が吐いた言葉や声音を鮮明に思いだせる。

 私はあのオバちゃん係官だけが悪いとは思わない。たしかにココに何十年と住んで、仕事をして、国籍までもっているのに、ドイツ語がおぼつかないというのはマズい。


 しかし、ここまで面罵する権利があのおばはん係官にあるのだろうか?


絶対、無い(怒)
彼女の言葉や態度の端々から、自分を苛立たせる外国人を心の底から軽蔑しているのが分かる。ましてドイツ語が話せない外国人ときたら、論外なのだ。
しかしながら、ああいう人間が現実に存在するということを知った今、あんな人間に罵倒されないように、いや、彼女の顔に唾液を飛ばしながら罵倒し返せるくらいに努力するしか無い。

そして、改めて、「現地人の夫」と「日本国パスポート」に守られてのほほんと暮らしている境遇を省みることになった。自分は「移民」ではない、という思いがどこかにあるのだ。この国における「移民」という言葉のもつ悲壮感を、私が彼らの100分の1程も実感として味わったことが無かったことに気づいた。

Thursday, June 08, 2006

もうすぐWM

現在の気分:★★★☆☆
現在の音楽:The Strokes <First Impression of Earth>Juice Box
最近観た映画:「X-men」
気になるニュース(スポーツ報知):「福沢諭吉のチョビヒゲが動かぬ証拠


 5月末から6月最初の一週間は怒濤でした。6月一日から夏期勤務プランとなり、ときどき朝9時から夜8時までの10時間勤務が入ってきた。普通に事務で10時間なら平気だけど、10時間立ちっぱなしってのは、かなりつらいです。油断してると足の親指先が麻痺してくる!やばい。
 でも夏プランは一日の労働が激務になる為、週休3日制となり、まだ救いがあります。最近は日本人のお客さんも随分多いので、夏が来たなーと感じます。

 しかし、、、外は夏の陽気とはかけ離れて、ここ1週間以上、ずっと雨。平均気温10度。。。寒いよ。今も冬物の上下、毛糸の靴下、毛布の膝掛けしてます。なんだこれ(怒)
おかげで昨日今日と風邪気味です。

 さて、先週はなんだかいろんなのことが立て続けにありました。なかでも、こちらに来てから一番仲良くしていた台湾人の友達が、旦那さんの転職でウィーンに旅だってしまいました。仲良くしていた友達がみんな集まって、最後の食事会をしましたが、帰り道に悲しくなって涙がちょちょぎれてしまいました。
 海外で気のおけない友達を作るのは、本当に難しい。知り合いの日本人も何人か居るけれど、日本人だからという理由だけで、本当に親しくなるのはほとんど不可能だ。

 さらに、先週末はアレックスと妹のカローラと3人でリンツまで足を伸ばしました。電車で片道3時間半。渡欧してから一年半近くにもなるのに、まだアレックスのおばあちゃんに会ったことが無かった。このおばあちゃんは87歳。お母さん方の祖母。そしてその娘夫婦に迎えられ、一泊2日の滞在をしました。タダでさえ分からないドイツ語にリンツ訛りが混じり、ちょっと苦戦しました。。。おばあちゃんはもの静かで、あまり話はできなかったけれど、とても優しく迎えてくれました。おばあちゃんは二匹の鴨と二匹の亀を飼っていました。鴨も亀もそれぞれ立派な家を与えられて、日中散歩をして、夜はちゃんと家に入って眠っていました。亀は日中でも雨で寒かったせいか、引きこもりがちでした。

 今日は一週間半ぶりに少し太陽が顔を出してます。早くワールドカップ観たいな。夏が来ないかな。